2015年4月2日 深山ダム~大倉山~三倉山

そろそろ残雪シーズンも終盤となりますが、この短い期間に歩いておきたいところがたくさんあって行き先に悩んでしまいます。
今歩きたいところは、先週の続きで横川~新鹿又岳~男鹿岳、そして県境つなぎの一環として女夫淵~黒岩岳~引馬峠周回があります。半月前から雪の大倉山を歩きたいと思いながらも自分の休みとお天気がかみ合わず、この休みも雨の予報だったので今シーズンの候補から外していたのですが、数日前に突然予報が変わり、ピンポイントで晴れマークとなりました。残雪期の三倉・大倉山ははじめてではないのですが、何となくやり残した感があるのでこちらを優先することにしました。
登りのルートは3年前に歩いたルートと同じで、そこから先は雪質や藪の具合を見て考えることにしました。

深山ダムの鬼ヶ面橋のゲートは4月になっても予定通りに開放されないことがあるので自転車を持っていきましたが、今年は開放されていました。3年前は三斗小屋宿跡まで除雪されていたので、このまま湯川橋までは車で行けるかと期待しましたが、湯川沿いの支線に入って200mくらいから積雪があり、その先に釣りの人と思われる車が止まっていましたが、更にその先は車が入った跡もなく、自分の車ではとても通行不可能のため、少し戻ったところにあるスペースに駐車しました。

準備をして5時20分に出発。今日も一部ヤブを歩く予定なので、スノーシューではなくワカンをザックに括りつけました。風もなく暑くなりそうなのでハードシェルではなく使い古したカッパにスパッツを着けて歩きました。林道の雪は8割くらいの区間はなくなっているのですが、残りの2割の部分の雪質が悪く、前日の雨でグズグズになっていました。このままの雪質ではとても主稜線まで到達は無理だろうと思われました。



出発から約20分で湯川橋に到着。既に汗をかいており、上着を一枚脱ぎました。湯川の水量はいつもどおりといった感じでした。



3年前は三斗小屋宿跡まで除雪されていたので除雪終点まで歩き、そこから尾根に上がりましたが、今回は林道もグズグズの雪で歩きにくいので、尾根の末端から歩くことにしました。
取り付き点に定めたところには、昨年までなかった伐採用の作業道ができていました。



尾根はヤブっぽいのでこの作業道をたどってみましたがすぐに終わってしまいました。作業道の終点から、今度こそ尾根に取り付きます。カラマツの植林に薄い笹薮がありますが踏み跡もあり、問題なく登っていけます。が、お約束のマダニが付着するようになり、除去しながらの歩きとなります。



標高980付近で一旦傾斜が緩くなり、尾根型がはっきりし、ヤブもなくなりました。また暑くなってきたのでインナー一枚になり一休み。樹間越しに大倉山の稜線や振り返ると白笹山や西ボッチ山が見えるようになりました。



標高1000mから再び急登になります。木に赤ペンキが続いていますが、笹の背が高くなってきたので雪島を探しながらできるだけ雪があるところを歩きました。ただ笹の密度は薄いのでそのまま雪のないところを歩いても大差はなかったでしょう。この辺りから上は、まだ雪が融けたばかりのためか、マダニを見ることもなくなりました。






標高1080付近から尾根の東側に雪庇が残っており、雪も締まっているのではじめはこの上を歩きましたが徐々にいつ崩れ落ちるかわからないような角度になってきたため、雪庇に近い笹薮の中を歩くことにしました。



大倉山の白い稜線が垣間見えます。






笹の中をしばらく登っていくと、左下の谷沿いの方が雪が連続していて歩きやすそうなため、標高1150あたりから傾斜の緩いところを谷に向かってトラバースし、谷沿いに歩きました。予想通り雪も締まって歩きやすいのですが、最後はやや急斜面になりました。ただ、また雪がなくなるかもしれないのでアイゼンはつけず、ストックをピッケルに持ち替えて登りきりました。




広い尾根に上がると東側の展望が開け、茶臼岳をはじめ表那須連山も見えるようになりました。しばらくは安定した雪庇の上を進みます。視界も開けているので気分のいい場所です。赤ペンキは標高1290付近で終わっていました。



茶臼岳方面



左が白笹山で右が西ボッチ山



中央奥が男鹿岳



傾斜が急になると、所々で雪庇が東側に崩れかかっているので、そのようなところは雪のないところを歩きますが、ヤブは薄く、標高1250前後では灌木帯で、那須では珍しく笹がまったくないところもありました。



標高1300~1400の間は安定した雪庇が続き、快適に歩けました。
振り返ると早くも男鹿山塊が一望できました。






三本槍岳も見えてきました。樹氷で白くなっているのがわかりました。



標高点1443で3年前に上がってきた尾根というか斜面と合流しました。ここから先は雪が連続しているのが確認できたので、ここではじめてアイゼンを着けました。雪は締まっているのですが、陽が当たっているところは早くも緩み始めていました。
標高を上げるにつれ展望も良くなり、写真撮影に忙しくなります。ちょうど足を休ませられるので都合がいいのですが。上の方を見上げると樹氷が着いているのが確認できたので、融け落ちる前に早く行きましょう。



燧ヶ岳と会津駒ヶ岳。



表那須連山も遮るものなく見渡せるようになりました。



標高1570あたりから薄っすらと樹氷が着いていました。沼ッ原調整池が見えています。



もう少し上がった方が、樹氷の厚みがありそうです。









樹氷はよく見ると昨日の雨によってできた雨氷でした。霧氷だと日が当たるとすぐに落ちてしまうのですが、雨氷なのでどうにか撮影に間に合いました。それでもあと数十分もすると融け落ちてしまうでしょうから、じっくり撮影しながら進みました。








標高1700から上は木がまったくなくなり、傾斜もあるので滑ったら下まで行ってしまいそうですが、アイゼンがちょうど利きやすい雪質なので恐怖感はありません。県境稜線直下は笹が出ているところが多くありましたが、なんとか雪が連続しているところを歩くことができました。来週にはこの辺の雪は途切れて笹が出てしまうだろうと思います。



9時ちょうど、標高1792に着きました。歩き始めは雪がグズグズでここまでこれないかもと思いましたが、後半は条件が良く、無事到着することができました。県境稜線に出ると一気に北側の視界が開け、甲子の山々や磐梯山、吾妻山、飯豊連峰などが一望でき、切り立った三倉山も目の前にそびえ立っています。いつ見ても素晴らしい景観ですが、今日は特に視界がクリアで遠くの山並みがくっきりと見えました。












しばらく展望を楽しみ、一旦流石山をピストンしようかとも思ったのですが、今日の目的は反対方向なのでまずは目的を達成し、もしここまで戻ってくることがあればその後で流石山へ行くことにしましょう。
ということで、県境稜線を西進します。まだ雪は締まっており、踏み抜きはほとんどなく快適に歩いていけます。ただあまりにも風がなくて暑いので、少しは風が欲しいなどと身勝手なことを考えてしまいます。五葉の泉付近で小ピークを超えます。もちろん五葉の泉もキスゲ小沼も雪の下で、どこにあるかわかりません。この辺から眺める那須連山が一番のお気に入りで、たおやかな稜線の向こうに荒々しい表那須連山とのコントラストがたまりません。いつもは反対側からこちらの稜線を眺めることが多いのですが、今日はその長大な白い稜線をただ一人歩いているかと思うと感慨深くなります。



三倉山が徐々に近づいてきますが、雪がだいぶなくなって岩がむき出しになっています。やはり、真っ白な三倉山を眺められるのは3月中旬までなのでしょう。



大倉山1885の上りにかかると、少しずつ踏み抜きが増えてきました。でもまだ膝くらいまでの踏み抜きなので、ワカンは着けません。背の低い木々にはまだエビの尻尾が残っていましたが、強い日差しを受け、カラカラと音を立てながら、みるみるうちに崩れ落ちていました。



大倉山頂付近ではツツジやシャクナゲ、ハイマツのヤブが露出しており、股くらいまでの踏み抜きが続くようになりました。条件が良ければ3年前に果たせなかった黒滝股山まで行こうという案もあったのですが、急に進むペースも落ちたし、赤柴山方面の県境稜線を見るとかなりヤブが露出しているのが見えたので、この案はすんなり却下し、とりあえず三倉山までピストンすることにしました。



県境稜線は思った以上にヤブが出ていました。



大倉山頂を過ぎてヤブが落ち着いてからも踏み抜きが連続するため、ようやくアイゼンの下にワカンを装着しました。それでも膝くらいまで沈むことがありますが、体力の消耗は格段に軽減されました。

1854三角点手前の鞍部に下ったところから見る、三角点峰と三倉山の山容。



三倉山手前の巨大雪庇が崩れかけていました。三倉山への上りは、雪が緩んでズルズル滑るので、キックステップで足場を作りながら上りました。



11:05、三倉山に到着です。周回案を諦めてのんびり歩いたのでかなり時間がかかりましたが、その分気持ちにも体力にも余裕があり、なんとも爽快な気分です。山頂でもしばらく景色や撮影を楽しみました。半袖に無帽で歩いていたので早速皮膚がヒリヒリしてきました。









甲子旭岳から観音山方面。手前は土倉山。








時間に余裕はありますが、遅くなるほど更に雪が緩んで危険も増すため、適当に切り上げて往路を戻ることにします。この時点では流石山まで行って南尾根を下るか、ただ来た道を戻るだけにするか決めかねていました。

三倉山からの下りは、雪が適度に緩んでアイゼン+ワカンでもブレーキが効いたので危険を感じず、あっという間に下りきりました。

危険地帯



ここから大倉山までの上りは来たときと同様に踏み抜きの連続でした。それでも自分のトレースを辿っていけば、大きく沈むこともないので楽なものです。
来るときみられた樹氷はすっかり融け落ちていました。徐々に南から西の方角は霞みがかってきました。

来るときは逆光でしたが、この時間になると光が周り、表那須連山の表情がよく見えました。



大倉山からは下り調子なので惰性で歩いていきます。登ってきた1792Pまで戻り、もうこの時点で十分満足しており、仮に流石山まで行ったとしても同じような景色が続くだけだし、流石山南尾根下った後、三斗小屋宿跡から除雪されていない林道を延々と歩くこと考えると、このまま往路を下った方が最短かつ安全に戻れるだろうという思いが勝り、流石山はパスしてこのまま往路を下ることを選択しました。

12:30、下山開始。下りはじめはやや急斜面ですが、踵に体重をかけながら降りていくと、程よいブレーキと雪のクッションで快適に下ることができました。
これから下る尾根が一望できます。



茶臼岳をアップで。



名残惜しいですな~



傾斜が少し緩くなると雪がグズグズで歩きづらくなります。気温が上がって雪庇もいつ崩れるかわからないので、朝は雪の上を歩いたところでも下りでは笹薮の中を選ぶなどして慎重に歩きました。ところが、雪の切れ目を歩いていたところ、一度だけ半径1mくらいを踏み抜き、全身が雪の中に埋まってしまい身動きが取れなくなりました。両足の上に雪が乗ってしまい、どんなに動かそうとしてもびくともしません。落ち着いてピッケルを使って湿った重い雪を掻き出し、5分くらいかけてようやく脱出しました。垂直に落ちたので、怪我がなかったのが幸いでした。これ以降雪の切れ目は避け、幅の広い雪庇であればその中央を歩き、幅が狭い雪庇はヤブの中を歩くようにしました。ワカンも邪魔なのではずしてしまいました。1443Pまで下ったところで、ここから雪のない急な斜面になるためアイゼンもここではずしました。


標高1000mから下はダニだらけなので、雪が残っている沢沿いを下ることにしました。それでもちょっとでも笹に触れるとたちまちダニが付着しました。



林道に降り立ちました。



14:15、駐車地に帰着しました。


結果的には三倉山までのピストンとなってしまいましたが、今回の目的は主稜線からの展望を楽しむことが第一でしたので、十分満足でした。そして、南側から大倉山へ登る(下りも)には、今回のルートが一番安全だということも再確認できましたので、今後またこの尾根を歩くこともあるかと思います。

深山ダムサイトより、本日歩いた稜線を望む。



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コメント

瀑泉

No title
三倉山への往復お疲れ様でした。好天にも恵まれて素晴らしい風景を満喫できましたネ。
昨日は,赤薙山奥社跡まで行って来ましたが,雪が腐っていて四苦八苦,オマケにガスでほとんど見えずで,何だかナァ~の一日でした。

きりんこ

No title
瀑泉さん、こんばんは。
自分は雨男を自負しているので、今回のお天気には大満足でした♪日焼け止めを忘れてしまい、2日間くらい酔っぱらったような顔で仕事をしていました(笑)
瀑泉さんは赤薙山奥社跡ですか。最近気温が高い日が多いですから、雪質はあまりよろしくないですよね。ガスは残念でしたね。

みー猫

No title
こんばんわ。
好天に恵まれお望みの歩きが出来たんですね。尾根上での連なりの眺めが最高に良いです。以前行かれた記録の画像も見ごたえありました。ダニの対策だけいい方法が無いですかね。そういっては登ってられませんが・・いい物みさせていただきました。
みー猫

きりんこ

No title
みー猫さん、こんにちは。
この稜線からの雄大な景色と、三倉山の豪快な雪庇が私のお気に入りなんです。冬期はアプローチが長いので近づくのも困難なのですが、このコースでしたら行く時期にもよりますが私なんかでもたどり着くことができます。ダニは私も過去に痛い目をみているので過敏になっていますよ。暑さに強ければ全身防御して歩けるんでしょうけどね~。

ぐっちゃん

No title
こんばんわ。
先週も今週も本当にいいところに出かけてますね~

今年は雪が多かったのにこのことろの暖かさであっという間になくなりそうですね。
この界隈、いくつか予定があったのですが休みと天気が会わず今年も厳しそう・・・
どんどん宿題がたまっていきます(笑)

来年は是非、周回しましょう(連れてってください)

きりんこ

No title
ぐっちゃん、こんばんは。
この2週間は本当に天気に恵まれました。これで雨男の汚名返上となればいいのですが。
皆様の記録を拝見すると、この1,2週間はかなり雪解けが進んでいて、私も焦りを感じています。
今シーズン私は日曜日に自由になる日が少なく、ご一緒できませんでしたが来年はぜひよろしくお願いします。
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きりんこR

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