2016年1月27日 加蘇山神社~東剣の峰~三峰山~栗沢峠

 ここのところの冷え込みで、雲竜や庵滝、スッカン沢等の氷瀑の情報がネットにも見られるようになりました。自分も氷瀑撮影に行こうか迷ったのですが、前日光主脈の踏破も順調に進んできたところでもあり、今回もその一つとして、石裂山から三峰山の稜線を歩くことにしました。先週降った雪の状態が気がかりでしたが、ちょうど前日に石裂山周辺を歩かれた記録がヤマレコにあり、石裂山周辺の吹き溜まりで膝、その他は踝程度、凍結もしていないようなので特に問題ないだろうと判断しました。もし途中で危険な状態になったら引き返し、荒井川の大滝でも見てお茶を濁すつもりでした。


本日のコース
加蘇山神社社務所(9:24)~加蘇山神社(9:30)~奥の宮(10:10)~東剣ノ峰(10:38)~破線路横断(11:35)~標高680m級ピーク(11:55~12:10)~694.9m三角点(12:21)~破線路(境沢峠)(13:04)~430.8m三角点(西沢)(14:04)~三峰山三角点(15:34)~栗沢峠(16:40)


 今回もロングコースになるため、できるだけ早めに出発したかったのですが、撮影が目的でないとどうしても早起きができず、自宅を出発したのは8時20分になってしまいました。日没までに予定コースを歩けるかどうか微妙になってしまったため、途中で時間切れになりそうな場合は、適当なところで見切りをつけてエスケープも止むをません。一応、予定通り歩き通すことを前提に、下山予定の栗沢峠に原付をデポし、加蘇山神社へ向かいます。ところが、少しでも近道をしようと笹之越路を選んだのは失敗でした。集落を過ぎると除雪もされておらず、路面には雪が残ってカチカチに凍結しており、自分の車だとヒヤヒヤしながらの運転になってしまいました。帰りは原付だと危険なので、遠回りでも加園経由にしましょう。



加蘇山神社に着くと、奥の駐車場に続く道路も凍結しており、自分の車だと不安なため、手前の社務所の駐車場に止めることにしました。時間短縮のためできるだけ奥まで行きたかったのですが、仕方ありません。社務所には他に水戸ナンバーの車が1台止まっており、石裂山に先行されたのでしょうか。今日の装備は、最近すっかりお世話になっているスパ靴にヘルメットとダブルストックでピッケルは持ちません。ロープも10mのお助け紐のみです。つまりそれ以上の難易度になったら即撤退です。今日は気温が上がるらしいので、この時期でも水は2リットル持つことにしました。急いで支度を整え、9:25に歩行開始。予定よりも2時間以上の遅刻です。既に陽も高くなっており、寒さは感じません。

加蘇山神社へ続く林道を進んでいくと、最奥の民家のご老女が外に出てきていてご挨拶。何日か前に石裂山に向かった人がいたが、凍結のため鎖場あたりで引き返したらしいよとのこと。そんな話を聞かされると一気に身が引き締まります。どこまで行くのか聞かれたが、本当のことを話しても理解できないだろうし、理解できたとしても心配かけるだけなので、「行けるところまで行ってみますよ」と適当にはぐらかしました。
神社の手前で後ろから軽トラがやってきてそのまま奥へと消えていきました。どうやら林業関係の方のようです。



出発から約5分で神社に到着。駐車場に車はなし。ここから車の轍と分かれるので雪が深くなるものの、まだ踝程度で雪質も締まっっているのでスパイクも効いて快適に歩くことができます。また、1,2人分の新しそうな足跡が続いていました。



竜ガ滝はさすがに凍っていませんでした。滝のすぐ先で月山方面との分岐となります。当初はここを右に行って、月山、石裂山を経由する予定でしたが、出発が大幅に遅れてしまったため、少しでも時間を短縮し、未踏尾根を歩き通すことを優先して左へ進むことにしました。これで30分以上は短縮になるでしょう。本当なら石裂山と三峰山を1度につなぐことで今回の計画に意義があったのですが。。。
分岐までは沢沿いの緩やかな道でしたが、ここから徐々に傾斜が増し、積雪も15cmから20cmくらいになってきました。登山道も雪に埋もれてわかりにくくなっていますが、先行者のトレースがあるのでルーファンに余計な神経を使わずに済みました。
神社からちょうど30分で中の宮に到着。予報通り暑くなってきたので、ここで上着を一枚脱いで水分を補給。この先で鎖場となるためストックを仕舞います。



鎖場の状況はこんな感じです。鎖は雪に埋もれることなく、岩も凍結している様子はないため、まだ先へ進めると判断しました。こんな状況でもスパ靴を履いていると安心感があり、特に問題なく鎖場を越えることができました。



続いて梯子です。こちらは普通に歩くことができました。


梯子を登り終えると奥の宮に到着です。ここで先行のお二人に追いつきました。やはり社務所に止めてあったお車の持ち主だそうで、水戸からこられたそうです。上を見上げているので、どうしたのか聞くと、ここから先へ行く道がわからず困っていたとのことでした。このまま正面の崖を登るのかと思ったらしいので、ここからは自分が先に行かせてもらうことにしました。ここは一旦梯子の中段まで戻り、左へトラバースするのですが、トラバース道が完全に雪に埋もれてしまっているため、確かにはじめてだとわかりにくくなっていました。



奥の宮からはノートレースで、脛くらいのラッセルが続きます。雪の表面は凍結しているため、キックステップでしっかりと足場を確保し、ロープがあるはずの場所も雪でロープが隠れてしまっているため、木の根に捕まりながら四足での急登が続きました。ここはピッケルがあった方がよかったですね。角度も上の画像の通りで、足を滑らせたら大変です。ここは雪山に慣れた方でないと厳しいと思われ、後続のお二人の姿が一向に見えないのが気になりました。



主稜線に到達すると途端に雪が少なくなり、地面が露出していました。本日の核心はここまででしたね。この辺りから後頭部の痛みに見舞われるようになり、ここまで緊張感が続いたせいかとも思いましたが、なんだか様子がおかしく、熱感もあり少し動いただけで息切れするようになりました。毎年のようにインフルに罹っていますが、いつもの初期症状に似ている気が。。。もしかすると脱水が原因かもしれないので、なるべく多めに水分補給して様子を見ることにしました。

当初予定の石裂山までは時間の関係で割愛するにしても、せめて名前のある東剣ノ峰くらいは踏んでおくことにしましょう。



登山道より、石裂山



東剣ノ峰

東剣ノ峰から一般道との分岐まで戻ると、後続のお二人が登ってくる姿が見えました。とりあえず一安心しましたが、ここから月山方面に周回するにしても、引き返すにしても一筋縄では行かないと思いますが、大丈夫でしょうか。なんて人の心配をしている余裕など自分にもなく、周期的な頭痛と息切れ、倦怠感が続きます。とりあえずは予定通りの方向に進み、無理そうなら破線路から加蘇山神社へエスケープすることにしましょう。ということで、分岐から一般道を離れますが、ヤマレコにあった前日のトレースがあるので、ルーファンにかける労力が省け、非常に助かりました。



前日のトレースを利用して下って行きます。


稜線上の積雪は多くても踝程度で、特に危険を感じるところもなく、順調に下っていきます。と思ったら、762P手前の鞍部で大岩に尾根を塞がれました。両側とも切れ落ちており、右側から慎重に越えました。



762Pは北側が開けており、鳴蟲山とその奥に羽賀場山からお天気山の稜線。とても眺めのいい場所なのですが、足元は地形図通り数十メートルの絶壁です。



762Pの次の鞍部は細尾根ですが特に問題なく通過。そのすぐ先で再び大岩が現れますがつかまるところが豊富なのでここも難なく通過しました。



その後は植林と自然林を交え、平凡な尾根が続きます。体調のほうは、上半身の不自然な熱感だけは感じるものの、頭痛や息切れは治まってきました。ところが、融けた雪が徐々に靴の外側から染み込んできて、両足が冷たくなりはじめます。防水対策を怠ったのも悪いのですが、雪山での使用には注意が必要なようです。とりあえず、雪のないところを選んで歩ている分には湿っぽさを感じる程度なので、問題はないでしょう。今日は気温が高いことも幸いしました。



雪もあったりなかったり。



標高650m付近から、稜線の左手(北側)に作業道が現れ、しばらく平行するようになりました。



やがて作業道と合流しました。



作業道は、破線道の手前のピークで北側へ離れていきましたが、破線道のところで再び出合いました。上の画像は、破線が横切る鞍部から登り返すところ。体調不良が続くようなら、ここから北の破線に沿ってエスケープするつもりでしたが、まだ行けそうなので先へ進むことにしました。もちろん、この先のエスケープルートはいくつか考えた上での判断です。



途中開けたところより石裂山を振り返って。



同じところから日光連山。男体山の手前は白鬚山。



地図にもある鉄塔ピーク。南東方面の展望あり。



鉄塔の先、少しの間薄暗い植林が続きます。



次のピークに登ると、目の前に6974.9m三角点の赤白鉄塔が現れました。



ピークの北側が伐採されており、最近歩いた鹿沼の山々が一望できました。



そして日光連山も。手前の稜線は白鬚山から先日歩いた大鳥屋山です。たいへん展望のいい場所だし、時間もちょうどお昼なのでここで休憩をとります。今日はあまり体調が良くないので、しっかり休みました。
休みながらGPSを見てみると、歩き始めてからここまで円を描くように歩いてきたので、スタート地点から直線距離で1.5Kmくらいしか離れていません。一方、最終目的地の栗沢峠まで直線距離で10Kmもあります。そう考えると、予定通り最後まで歩き通すのはかなりキビシイかな、とこの時は思いました。とりあえず、次の破線路まで行ってみて考えることにしよう。



さきほどの展望ピークから岩混じりの急な斜面を下り、鞍部から登り返すと鉄塔の巡視路が現れました。




巡視路を辿って、6974.9m三角点のある279号鉄塔に到着です。三角点は雪に埋もれているため見つけられません。



鉄塔より、谷倉山、三峰山方面。



この辺りは雪が深く、脛くらいありました。前日の足跡も残っています。



279号鉄塔の次のピークで石祠あり。

石祠のピークからの下りは巡視路が雪で隠れて見失うことが多くなりました。前日の足跡も見失いましたので、ルーファンに気を付けながら進みました。



一旦下って登り返すと右側が伐採地で少しの間ヤブっぽいところが続きました。



再び下りになるとヤブもなくなります。



528Pに着くと、鳥居と二つの石祠が。左のは胴体がありません。



祠の中の石像



528Pから南へ下る途中、279号鉄塔を振り返って。杉も準備万端の色になってましたよ。



途中、地図にもある鉄塔からの眺望はありませんでしたが、その先で南東側が開け、三峰山が視界に入りました。いや~、遠いなぁ。。。



13:04、破線路の峠に到着しました。庚申塔が2基(寛政11年と萬延元年)と石碑(文字読み取れず)が1基ありました。ここは境沢峠と呼ばれる場所で、破線路は県道280号入粟野引田線なのです。両方向に道型は確認できましたが、もちろん自動車は通れません。
さて、ここで先へ進むかエスケープするか作戦を練ります。体調は万全ではないものの、大きな問題はなさそうです。明るいうちに下山できるかどうか、15時の時点でどこにいるかによって決めても間に合うと判断し、先へ進むことにしました。



峠から先、しばらく単調な植林が続きます。本日のコースでもっともつまらなかった部分ですが、一気に距離をかせぐことができました。峠から441Pまで約40分で到達しました。



441Pの先の鞍部より、左に279号鉄塔、右に鳴蟲山、奥に女峰山。



徐々に明るい尾根に変わり、雪もだいぶなくなりました。足元には赤頭の杭が続きます。



14:04、背丈を超える笹薮を少々潜ると430.8m三角点に着きました。栃木の山紀行さんの「(点名)西沢」の標識があり、この周囲だけ刈り払われた感じでした。この後も再び笹薮のトンネルを潜っていきますが、それほど長くは続きませんでした。



西沢から先は、明るい尾根が続きます。この日のコースで一番気分のいいところでした。



403Pには、壊れた石祠が。それでも大切にされているようで、比較的新しい祭事の跡がありました。



右後ろを振り返ると、ハナント山の存在感が大きいです。



結構なアップダウンが多く、計算通りに距離を伸ばせなくなってきました。それどころか、急登ごとに両腿が攣りそうになり、必然的に休憩が多くなります。



この一帯は展望に恵まれています。左からかまど倉山、二股山、古賀志山。



481Pの手前あたりから、逆向きに歩いてきた一人分の足跡がありました。雪が降って10日ですから、その間に歩いた人がいたみたいです。



三峰山がだいぶ近づいてきました。



徐々に露岩の急登(地図にないものも)が増えてきました。足が攣らないようごまかしながらゆっくり上ります。なるべく腕の力も使って足に負担をかけないようにしました。ここでターニングポイントに決めた15時となりました。このペースで行けば、三峰山まで30~40分、栗沢峠まで2時間もあれば十分到着できそうなので、当初の計画を実行することに決定。一度はあきらめていましたが、先が見えてきたことでやる気が出てきました。




おっと、ここで想定外のヤブが出現。でもすぐに終わります。



三峰山の一つ手前のピークへは、植林の登りです。この程度の傾斜であれば、足を気にせずとも歩けます。



ピークより、ようやく三峰山の東西二峰が間近になりました。



三峰山西峰への登りは、見た目通りえらい急です。数メートル進んでは座り込んでを繰り返しながら、慌てず登って行きます。



15:28、三峰山西峰に着きました。ここから南峰へ行くには、時間も脚力も余裕がないため、今回はパス。



東峰への登りもこの通りで、悶えながら這い上がります。



登りきると、日光連山が覗けるポイントが。



15:34、三角点のある三峰山東峰に着きました。山名板を探しましたが、見当たりませんでした。いや~、きつかったなぁ。あとは下るだけなので大丈夫かなぁ。



南側の木の陰に石祠がありました。



ゆっくりもしていられませんので、先を急ぎます。山頂から先もはじめのうちは明るい尾根でした。途中、すぐ右下にゴルフ場の道路が見え、暗くなるようなら最悪そちらに逃げることも頭にありましたが、その必要もなさそうなので予定通り先へ進みます。




だいぶ陽が傾いてきました。



林も赤く染まります。



最後は植林地を下って、無事、原付のある栗沢峠に着きました。どうにか、ヘッデンを使わないで済みました。脚のほうも、三峰山から先は問題ありませんでした。



あとは原付で約30分かけ(加園経由)加蘇山神社に戻りました。車に乗ると、すぐに頭痛が再発。家に帰って熱を測ると37℃ありましたが、風呂に入って暖かくして早めに寝たら、翌日は何ともありませんでした。ただの軽い風邪だったのかな?
今回も時間に余裕のない歩きとなってしまい、厳密には石裂山と三峰山を一度につなぐことができず、三峰山の南峰にも行けなかったため、消化不良に終わりました。次はもう少し余裕をもって歩かなければ。
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コメント

瀑泉

No title
行者返しの岩場も,雪と氷に埋もれたら厄介でしょうネ。
石裂山も,かなり昔,一度だけ一般ルートを周回しただけなので,今回の762P~694.8P間は,こんなルート取りもあるものかと興味が湧きましたヨ。
さすがに,三峰山まで繋ぐことは無さそうですが,庚申塔やら石仏やらと興味深いものもありますしネ。
まぁ,何にしても雪があっては行けそうもないので,雪が消える頃考えてみますネ。

きりんこ

No title
瀑泉さん、おはようございます。
行者返しの岩場、なかなかスリリングでしたよ。完全に凍結していないのが救いでしたが、出発時間が遅かったのが幸いしたのかもしれませんね。
今回のコース、意外と展望もありますし、植林に岩稜、石祠と変化があってかなり楽しめました。きっと瀑泉さんの指向にも合うのではないかと思いますよ。でも、自分はどちらかというと三峰山側のほうがよかったので、2回に分けてでもぜひ歩いてみてください♪

サクラマス

No title
私が歩いたのが数日前ですから、なんだか不思議な感じです。それにしてもこれは長~いコース取りです。帰りの足を確保できたらチャレンジしてみたいですね。
ロングコースお疲れさまでした。

きりんこ

No title
サクラマスさん、こんばんは。
コメントありがとうございます♪
サクラマスさんが歩かれたのは私の前日じゃなくて23日だったのですね。失礼しました。でも足跡の主がわかっただけでもなんだか嬉しくなってしまいましたよ。
今回のコース、賀蘇山神社のほうから入山すれば、リーバスを利用して歩けそうですね。日の長い時期でしたら、十分日帰り可能だと思いますよ♪
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きりんこR

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