2016年5月15日 袈裟丸中尾根~小法師尾根周回(その1)

2016年5月15日

駐車地(5:50)~中尾根取付(6:40)~1495P(7:40)~1611P(8:20)~尾根乗換開始(9:00)~県境(10:00)~小法師尾根下降点(11:30)~1690P(12:25)~小法師岳三角点(13:50)~餅ヶ瀬林道(14:50)~駐車地(15:25)


 だいぶ前から袈裟丸中尾根と小法師尾根の周回を考えていたのだが、時期的にはツツジの時期がよかろうと、頃合を見て歩いてきた。袈裟丸中尾根については多くの方々の記録を見ることができるが、皆さん口を揃えて標高1800m付近が「危険」,「垂直」,「下りでは絶対使用したくない」と記述されている。先人の詳細な情報のおかげで大凡の様子を想像することができ、自分でも登りなら行けるだろうとは思っていた。しかし、せっかくならもっと安全なルートを開拓できないものかと考え、地形図をよく見てみると中尾根の北隣に、北東へ向かう崖マークのない尾根がもう一つあることに気づいた。中尾根よりもやや尾根の幅があるが、等高線の密度はさほど変わらず、どちらも似たような状況かもしれないし、崖があって進退窮まる可能性もある。もう一ヶ所、標高1600m付近で尾根を乗り換える部分に不安があったが、ここは一昨年、ツルサリ沢左股を下降したときに安全を確認済みだ。今回は途中撤退も覚悟で、30mロープを持参することにした。もし撤退した場合は、素直に中尾根で登り返す計画だ。下りのルートは、とりあえず小法師岳までつなげられればいいので、そこから先は行ってからの状況に合せ、4つほど選択肢を用意した。

 いつものように宇都宮北道路で日光道へ向かう途中、見たことのある車が前を走っていると思ったら、職場の元同僚だった。一緒に働いていた頃はよく二人で北アルプスなんかにも行った仲だが、1年前に向こうが退職後はそれっきりだった。朝5時前に一体どこへ行くのか問うと、袈裟丸山だという。偶然にも行き先は同じだが、あちらは正当な登山道しか歩かないので、現地で会うこともないだろう。お互い気を付けてと言って追い抜かした。

 餅ヶ瀬林道のゲート手前に他に車はなし。ここから歩くのは3回目となるが、今まで一度も自分意外の車を見たことがない。ゲート前に看板があり、餌釣り禁止、キャッチ&リリースと書かれているので、釣り人にとっても不自由な沢になっているのかもしれない。準備をして5時50分、歩行開始。日足トンネルの手前まではよく晴れていたのに、トンネルを抜けてからは完全に曇っている。林道を歩く分には涼しくてちょうどいいくらいだ。予報は晴れだし、そのうち晴れてくるだろう。

 出発から40分で沢への下降点に到着。無名橋を渡り踏み跡を辿って沢へ降りていく。




餅ヶ瀬川本流は飛び石を利用して問題なく渡れた。



末端から中尾根に取り付いた。もし末端から先へ行き過ぎたとしても、すぐにカラマツの植林が出てくるので、どこからでも尾根に取り付くことはできるだろう。




最初からヤブもなく、快適な尾根だ。



尾根には割としっかりとした踏み跡が続き、すぐに急登となる。踏み跡に平行して、錆びたワイヤーが続き、古いペンキ痕や、テープ類も散見する。この尾根も山歩きよりも釣り人の下山用に使われることのほうが多いのかもしれない。そんなことを考えながら歩いていると、ストックを刺した跡が続いているのに気付いた。昨日あたりここを歩いた人がいたようだ。更に、真新しいたばこの吸い殻も落ちていた。登山者の仕業でないと信じたい。



標高1230mあたりで傾斜が緩くなると、シロヤシオとミツバツツジがちょうど満開となっていた。しばらくは緩やかに登っていくので、デジ一を首にぶらさげ、撮影しながらのんびりと歩く。最初の急登で疲れた足を休めるのに好都合だ。




ゆるゆると登っていく。


















標高1400mくらいからはツツジもほとんど蕾となり、傾斜も増してきたのでデジ一をしまって歩きに集中する。徐々にガスがとれて明るくなってきた。




進行方向は完全に青空になった。




シャクナゲの花も出てきた。



1495Pの手前でまた傾斜が緩み、細尾根を進む。



北側の小法師尾根もゆっくりとガスが引いて稜線が見えるようになってきた。やっぱりこうじゃなきゃ。




南にはダケカンバ林の奥に小丸山から前袈裟あたりの稜線が見えてきた。




奥袈裟丸山方面も見えてきた。




標高1510mくらいからまた急登になる。ダケカンバの新緑が目に優しい。




標高1580m付近から、終盤ではあるがアカヤシオが現れはじめた。



小丸山もピンク色になっているのがわかる。




ここからは小さなアップダウンを繰り返しながらも、ほとんど平坦な尾根が続く。




1611Pの手前で一瞬作業道のような道と並行する。




ここからアカヤシオがず~っと咲いているので足止めを食ってしまう。




前袈裟丸山~後袈裟丸山方面。向こうは今頃竹下通りのようになっているのだろう。すぐ隣のこちらは陸の孤島か。




数はすごいのだけど、写真にするのが難しくて無駄に時間ばかりとられる。




中袈裟丸山が正面に見えてきた。一体どこを登るのか、ここからだとわからない。




やや花のピークを過ぎてしまったみたい。




バックに無理やり鋸山。




鋸山をアップで。手前は小法師尾根で左奥は皇海山。




ここからは、中尾根とこれから予定している尾根の様子がよく観察できた。どっちもどっちかな。予定尾根に岩場のようなものが2か所見えるのが気になるが。




アカヤシオとシャクナゲのコラボ。









標高1600mの等高線が細長いところの西端が尾根に乗り換えるための下降ポイント。1611Pからここまで、ただ歩くだけなら10分くらいだろうが、撮影に時間をとられ40分以上かかってしまった。




ツルサリ沢左股を跨いで予定尾根に乗り換える。




笹に掴まりながらの急登が続く。落ちる危険はないが、かなり搾られた。




右側に男体山がはじめて見えた。




はっきりとした踏み跡が続いていたが、鹿道だろう。何度も休みながら歩く。




標高1700m付近で最初の崖がお出ましになった。まずは中央突破を試みる。




これはやめておこう。



岩場の基部まで戻り、笹の斜面をトラバースして南側へ回り込むと、急ながらも笹につかまりながら巻くことができた。これで終わってくれればいいが。




崖を巻いて岩の上に立つと、最高の展望台だった。




一旦傾斜が緩んで痩せた尾根を進む。



すぐに2つ目の崖が立ちふさがった。今度は右も左も絶壁で巻けそうにない。中央から行くしかないので、それが無理なら撤退だ。




2本足じゃとても無理だが、木の根っこや生木につかまりながらならなんとか行けそうと判断し意を決して取付いた。しかし枯れ木や、根がほとんど張っていない痩せた木が多いので、手掛かりは慎重に選ばなければならない。岩や土も崩れやすいので体重のかけ方にも気を遣う。時に腕力のみで体を持ち上げるところもあった。おそらく、中尾根よりもこちらのほうがリスキーだろう。今更ながら、普通に中尾根を歩いおけばよかったと後悔している始末だ。




縦走路と同じくらいの高さになってきた。




ようやく危険地帯を脱出。シャクナゲを見てホッとした。喉はカラカラ、命からがらだ。危険度からいうと、最近の中ではお天気山の崖に次ぐくらいのレベルだと思う。七滝尾根や谷倉山のキレットなんかよりも遙かに上だった。




左から中尾根が合流。この辺りまでは、一昨年間違えて上から降りてきたところだ。ここから中袈裟丸山まで10分もかからないだろうが、そんな気力もなくなってしまった。少しでも体力と精神力を温存して先へ進むため、そのまま尾根を西へトラバースすることにした。




縦走路に合流。やっと緊張感から解放された。正直、しんどかった。



(その2)へ続きます。
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コメント

たそがれオヤジ

No title
こんにちは。
中尾根は正当に登ると、まさに垂直、足場悪し、冷や汗たっぷりなので、改めて行くことがあったら(おそらくないでしょうけど)、きりんこさんの今回の北側の尾根に逃げて縦走路に出ようと考えておりました。
しかし、拝見するに、崖登攀が2か所もありましたか。先日、小法師側から眺めた際には気づきませんでした。
当初、自分の直登はルートミスで、北側尾根に抜けるのが正解かなと思ったりしていたのですが。
やはり、あれしかないということですね。
しかし、そんなところ、きりんこさんだから登れたのであって、それでいながら喉カラカラというのは、私には無理ですね。戻って来られませんよ。
まずは、そこまででもご苦労さまでした。

きりんこ

No title
たそがれさん、こんにちは。
たそがれさんの記事も事前に拝見いたしましたが、やはり今回の北側尾根とほぼ同じ状況でしょうかね。一つ目の崖は巻けるので、身の危険を感じることはありませんが、二つ目は直登するしかなく、垂直だし、ロープなしでの下降は不可能だと思います。安全ルートを探るために小細工をしてみましたが、そう甘くはありませんでした。たそがれさんが冷や汗たっぷりで登られたのが正規ルートというのが結論ですね。

ふみふみぃ

No title
たそがれさんや烏ヶ森の住人さんの記事を見て中尾根は怖いとこなんだな、もしいくなら一つ北側かな?でも怖いからやめとこう・・。地形図を見てそう考えていたのですが現実は厳しいんですね。より恐ろしいところとは。
命からがら登りきったところで俺の手を使えよと枝を伸ばすシャクナゲさん、やはり癒し系ですね。アカヤシオとのコラボといい会いにいける高山植物筆頭はやはり違いますね。
私は藪漕ぎしてでも西から行こうと再認識しました。

きりんこ

No title
ふみふみぃさん、こんにちは。
ふみふみぃさんも同じところに目をつけていたのですね。正規ルートは歩いていないので比較のしようがないのですが、安心ルートではありませんでしたよ。ホント、シャクナゲさんの姿を見て助かったと思いましたねぇ。進路を完全に塞がれても、ちっとも辛くありませんでした。
西からの袈裟丸は、まずはふみふみぃさんにお任せしますよ。後追いするかどうかは、それからじっくり考えますから(笑)
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きりんこR

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