元々、21日が休みの予定だったのが業務都合で24日に休むことになり、予定外の3連休となった。23日は娘の行事があるので山へ行くわけにもいかないが、残りの2日間はクリスマスとはいえ日中は自由。本命は25日で、那須や白根山の風も弱まる予報なのでそこに勝負をかけよう。しかし24日も特にやることもないので、翌日に疲れを残さない程度に歩くことにしようか。
行き先は、以前から気になっていた仙波川の両岸尾根を選択。ネットで調べてみると、山旅DIARYの仮面林道ライダーさんが両尾根とも別々に歩かれている。どうせなら自分は一気に歩いてしまおうと、カシミールで計算したところ距離で17Km、累積標高差で1600mとなった。実際はもう少し増えるだろうが、この間の閑馬川両岸尾根のときは車道を除いても距離20Kmと累積標高差も2000mを超えていたから、それよりは楽だろう。閑馬川のときは両太腿が攣ってしまったので、今回はペース配分に気を付け、水分とエネルギー補給をこまめにおこなうことで、痙攣しないようにすることも課題だ。
まずは下山予定の今宮神社に車をとめさせてもらう。駐車場手前の坂はものすごい急こう配で、自分の車で登れるのかいな?と心配したが無事に登れた。駐車場には他に車が1台。近くに人の気配はないけど、まさか山歩きではないだろう。
なかなかいい雰囲気の神社。帰りにまた寄らせていただこう。
今宮神社入り口
9:30、折りたたみ自転車で仙波交差点に向かう。約3Kmを7分で交差点に到着。尾根の末端は、仮面林道ライダーさんのレポにもあるように、動物除けの柵を開けて進入するのは人目をはばかる。ちょうどよさそうなところがないか探していると、交差点から数十メートル北側に空地のようなところがあり、自転車もとめられそうなところを発見。ここを出発地点とした。仮面林道ライダーさんよりも少し尾根末端に近いところのようだ。
自転車をとめて空地の奥へ進むと、白いワイヤー2本で固定された柵の出入り口をあっさり発見し、ここから入らせてもらう。中に入ると祠があり、その脇から適当に尾根に取り付く。やや岩っぽい斜面で、落ち葉も堆積しているので最初からチェーンスパイクを使用した。
尾根に乗ると、軍人がどうたらと書かれた慰霊碑?があり
尾根末端の様子を見に少し下ると、達筆すぎてよく読み取れない石碑があり
通りからこちらが丸見えだろう
尾根をほんの少し先へ進むと、石祠が3基
さらに少し進むと尾根をふさぐように何かの施設。左右どちらからでも巻けそうだが、自分は右から。
建物を過ぎるとちょっとした岩場の上に出て、不動岳方面
遥か遠くに、これから向かう戸叶山も確認できた。
多少ヤブっぽいところもあるが、全体的に明るい雰囲気が続く。
この辺はいい感じ♪
少し岩っぽいところもあるも、特に問題なし。
急登箇所も、チェーンスパイクなので快適。ただ、調子に乗っているとまた足を攣るので意識的にゆっくりと。
広めの小ピークに到着。ピークを取り囲むように平らな地形があり、土塁かな?とも思ったが、どうなんだろう。早速暑くなったのでここで小休止。長袖一枚になり、アクエリを飲む。この尾根、終始両側に道路が通っていて、ダンプの音が聞こえてくるが、それほど近くもないので気にはならなかった。
休憩で油断したのか、この後最初のルートミス。西に進むべきところを北へ下ってしまった。すぐに方角違いに気付いたのでトラバースして正解ルートに復帰。
いよいよ本格的な植林が出てきたが、それにしては明るい雰囲気。
303Pの手前で水道施設が現れる。これは仮面林道ライダーさんのレポで見覚えがあるやつだ。
303Pには特に何もなし。
303Pの次のピークで本日2度目のルートミス。あまりにも快適なので西への分岐に気付かず北へ直進してしまった。200mほど進んだところで左手に主尾根が見えているのでおかしいことに気づき、来た道を戻る。注意が足りませんな。
正解ルートに復帰し、小さいアップダウンを繰り返しつつ進んでいくと、前方に作業道かなと思って近づくと
石祠が3基(文久2年と享和3年、1基は倒壊)あり。峠道だ。
峠から植林の中を登っていくと
尾根のやや左に小屋のようなものが。中には祠と地面に護摩札が数躰散乱していた。
小ピークに到着すると東の方に何やら人工的な石が見えたので近くへ行ってみると玅音天講中と書かれた石碑だった。後から調べたところ、玅は妙の異体字で、妙音天は弁財天のこと。つまり弁財天信仰にまつわる石碑のようだ。腹が減ったのでここで小休止。
石碑から先は明るく快適な尾根が続く。
11時40分過ぎだったか、かなり遠いところからドーンという爆音が聞こえてきた。さらにその10分後にも別の方角から。銃声よりも大きく低い音だったから、どこかの鉱山で発破をしたようだ。安蘇の山を歩いていると、いつも正午ではなく、お昼ちょっと前に発破音がするので、その時間にも意味があるのだろう。確か三峰山で見た看板にも11時40分から12時10分が発破時間と書かれていたような気がする。どうでもいいことだが、その時間の意味について考察しながら歩いていた。おそらく、発破直後は埃や煙で作業にならないのと、落石や落盤による事故の危険があるため、お昼休みの間にそれらを落ち着かせているのだろう。簡単に結論が出てしまった。直接関係者に聞けばすぐにわかることであるが。
365Pの手前から少しだけ植林になって
365Pを過ぎると再び自然林の心地よい尾根が続きゆるゆると登っていく。
前方に644P西側の痛々しい山肌が目に付く。
やや岩っぽい下りもあるが、危険はない。
左側が開けて大鳥屋山が見えてきた。
戸叶山(530m級ピーク)が見えてきた。西側は地形図通り砕石所に抉り取られている。だいぶ近くなったような気がしたが、GPSで確認するとまだ直線距離で1Km以上もある。この山の名前、仮面林道ライダーさんと同じく今昔マップで知ったのだが、調べてみると「とかのやま」ではなく「とかりやま」と読むらしい。そして苗字の「戸叶(とかの)」のルーツはこの山にあり、「とかり」がなまって「とかの」となったのだとか。
引き続き明るい尾根が続く。今回歩いてみて、妙音天の石碑からこの辺りまでが最も気分がよいところだった。
448Pの手前あたりから、植林が続くようになった。しかし藪はまったくなく、踏み跡も濃いので一気に距離をかせいだ。
448P先の鞍部で石祠2基がある古い峠道を横切る。
一つは文久3年のもの。
こちらの石祠はかなり古そうだ。丸みを帯びて、なんとなく可愛らしい。
この辺は登山道なみの踏み跡が続く。
戸叶山への登りになると一気に傾斜が増す。
途中、岩がゴロゴロしたところがあり、適当にかわしていく。
人工的に岩で囲んだようなところがあり、ここが山頂かと思ったが気のせいだった。
少し進むとボロボロになった石柱と比較的新しい山名板があった。
山頂から少し先へ進むと崖の上の展望地があり、下を覗くとムズムズしてきた。
左に大鳥屋山と中央に岳ノ山。右奥は熊鷹山あたりだろうか。
歩き始めてからここまでちょうど3時間。目標にしていた時間にぴったりだった。かなりのんびり歩いたので前回のような疲れはない。しかしまだ全行程の半分以下なので、展望を楽しみながら大休止とした。
(その2)に続きます。
コメント
サクラマス
2016/12/27 URL 編集
きりんこ
忘れ去られた石仏を見ては、昔の人々の暮らしや信仰に思いをはせることができるのも、里山歩きのひとつの楽しみですね♪
2016/12/29 URL 編集